« 「逍遙散」という処方 | トップページ | チャングムの誓いの中の東洋医学 »

最近の憂鬱

 最近聞いた話で、少し気になることがあります。
 このところよく使われている処方に「大建中湯」という漢方薬があります。この薬は、もともとお腹の冷えをとる漢方薬なのです。この処方が、外科手術のあとに使われだしてよく効くということから始まったようで、最近ではお腹の調子が弱い方によく処方されているようです。
 この漢方薬は、処方内容に「山椒」が使われています。この山椒によって、お腹の中を温めるのですが、気になるのは、お腹の冷えが取れても処方され続けているケースがあるようなのです。
 もし冷えが取れているのにこの「大建中湯」を服用し続けるとよくないことが起こる可能性が漢方的に考えられます。

 

胃腸系に余分な熱がたまることが考えられ、ひどくなると、胃腸系(口から肛門まで)の粘膜が熱を帯びやすくなり、口内炎や腸炎のような状態や、痔になる可能性があります。
 腸胃に余分な熱がたまって、その方が年配者で、体が乾きやすい状態(漢方的に陰虚といいます)であると、唇や、口の粘膜がひどい状態になる可能性が高いです。
 メーカーにはまだそのような報告はないそうですが、漢方の理論からすると十分ありえる可能性の高いことなのです。

 

以前、胃腸風邪に使うとよく効く漢方処方を、慢性肝炎に多く使わせたために避けうるべき事故を起こしたことを忘れてしまったのではないかと思えるくらいに怖いことだと、個人的には思います。
 漢方薬を扱って生業をしているものからすると、漢方薬で患者さんに迷惑になることだけは勘弁を。

|

« 「逍遙散」という処方 | トップページ | チャングムの誓いの中の東洋医学 »

「漢方」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/110331/6129571

この記事へのトラックバック一覧です: 最近の憂鬱:

« 「逍遙散」という処方 | トップページ | チャングムの誓いの中の東洋医学 »