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チャングムの誓いの中の東洋医学

 昨日放送された、「チャングムの誓い」の中で、早産で難産のスゴン様に対して治療と、介護をするシーンがありました。

 

この中で、脈がなくなった状態で、チャングムがストローのような筒を使って、薬を鼻の穴に吹き込むシーンがありました。
 かなり以前読んだ東洋医学の本にこの治療法のことが書いてありました。詳細が思い出せないのですが、鼻や耳、肛門によく薬を吹き込むような治療方法があったように記憶しています。

 

このときに吹き込んだのは香りの強い「芳香性開竅薬(ほうこうせいかいきょうやく)」という、日本で言うところの「気付け」作用のある薬剤だと思います。
 代表的なものに「麝香」「沈香」「龍脳」「樟脳」などがあり、香りの成分が神経を覚醒させたり、意識をはっきりとさせたりする薬剤です。
 これらの薬剤が配合されたものは、現在でも良く使われており、動悸や、息切れをはじめ、疲労感や、不眠症などにも用いられます。
 特に、神経の疲れがひどいときなどに使われたりもします。

 

人気のアロマテラピーに使われるハーブと同じようですが、漢方の生薬はものによってはとても強烈な覚醒作用をもたらすようです。
 口から飲み込めないときに、筒で、鼻に吹き込んで、鼻の粘膜から吸収させるわけです。

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最近の憂鬱

 最近聞いた話で、少し気になることがあります。
 このところよく使われている処方に「大建中湯」という漢方薬があります。この薬は、もともとお腹の冷えをとる漢方薬なのです。この処方が、外科手術のあとに使われだしてよく効くということから始まったようで、最近ではお腹の調子が弱い方によく処方されているようです。
 この漢方薬は、処方内容に「山椒」が使われています。この山椒によって、お腹の中を温めるのですが、気になるのは、お腹の冷えが取れても処方され続けているケースがあるようなのです。
 もし冷えが取れているのにこの「大建中湯」を服用し続けるとよくないことが起こる可能性が漢方的に考えられます。

 

胃腸系に余分な熱がたまることが考えられ、ひどくなると、胃腸系(口から肛門まで)の粘膜が熱を帯びやすくなり、口内炎や腸炎のような状態や、痔になる可能性があります。
 腸胃に余分な熱がたまって、その方が年配者で、体が乾きやすい状態(漢方的に陰虚といいます)であると、唇や、口の粘膜がひどい状態になる可能性が高いです。
 メーカーにはまだそのような報告はないそうですが、漢方の理論からすると十分ありえる可能性の高いことなのです。

 

以前、胃腸風邪に使うとよく効く漢方処方を、慢性肝炎に多く使わせたために避けうるべき事故を起こしたことを忘れてしまったのではないかと思えるくらいに怖いことだと、個人的には思います。
 漢方薬を扱って生業をしているものからすると、漢方薬で患者さんに迷惑になることだけは勘弁を。

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「逍遙散」という処方

 漢方薬の中でよく使われる処方に「逍遙散(しょうようさん)」という処方があります。
 イライラした状態を改善して、体の中の「気」の流れをよくする処方です。

 

「逍遙」という字は、ものの本によると「逍」は、木の枝がそよ風にゆらゆらそよぐ様を、「遙」は小船が水の上でゆったりと揺れる様を現す漢字なのだそうです。
 ですから、気分がゆったりとして、緊張がない状態にする薬という意味です。
現在では、更年期障害や生理前の緊張症、生理不順をはじめ、緊張性の精神的な症状の緩和や生理前に悪化するニキビによく用いられます。

 健康保険では、「加味逍遙散」というのがありこちらが処方されます。「加味」というのは「逍遙散」に「梔子(くちなし)」と「牡丹皮」を加えたもので、逍遥散よりもイライラしやすく怒りっぽくなった状態を治すための薬になっています。この二つの生薬は冷やす働きがあります。
 ですから、冷え性気味の方や、胃腸が弱く冷たいものがだめという方には、「逍遥散」のほうが向いています。

 漢方薬の中でも、よく使われる処方の一つです。

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季節の変わり目

 季節の変わり目になり、体調が思わしくない方がここ数日多いようです。

 

何にでも首を突っ込むのが少しあだになり、雑事ごとが少し増えてきたところに、電話や店頭に話をしに来ていただける方が増えています。

 

今年はイライラの相談や、血圧が高い方が多く、それによる耳鳴りや、ふらつき、頭痛の相談、生理不順やあと痔の相談が増えています。

 

痔は、トイレ環境が急速に良くなって減ったようでしたが、ストレスや、夜更かし、座ったままの仕事や、運動不足、辛い食べ物の流行などで、また増えてきているようです。

 

漢方薬には、つらい症状を楽にしてくれるお薬や、いぼ痔を切ることなく小さくしてくれる薬があります。大きさにもよりますが上手くいけばずいぶんと楽になります。
 ステロイド剤が入っていない座薬もあり使いでがありますよ。

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秋の夜長の不眠症について

 季節の変わり目になると、不眠症や朝早く目が覚めるといった方が増えてきます。

 

最近では、処方される薬で睡眠導入剤や、睡眠薬、あるいは軽い安定剤などを処方されていることも多いです。また薬局で、軽い睡眠改善剤もよく売れているようです。

 

漢方薬の中にも睡眠障害に対して使われる処方があります。
 大きく分けて、入眠ができないという場合と、眠りが浅くて途中で目が覚めてしまうという場合、この混合型というのがあります。

 

習ったことによると、睡眠には眠りが「深い状態」と「浅い状態」の大きく二つの状態があって、これが交互に何度か繰り返す睡眠が一番健康的な眠りといえるようです。

 

年齢を重ねたり、ストレスなどで、神経的な疲労状態になると、「浅い眠り」が取れなくなるようで、この浅い眠りを作る力が衰えると、いい眠りは得られないことになります。
アルコールや睡眠薬、睡眠導入剤などを使って眠ると、やはりこの「浅い眠り」ができにくいようで、特にこれらの薬などを続けていき習慣化してくると、眠りの質は落ちてくるようです。
朝起きてぐっすりと眠って、気分爽快というのは深い眠りだけでなく浅い眠りを睡眠中に経験していないといけないということです。

 

よくあることですが、物事は極端にいくことのほうが簡単で、バランスよく真ん中あたりを行くことは難しいし余計にパワーが要る事が多いものです。
 眠りも同じで、寝てるでもなく、起きているでもない状態の浅い眠りを作ることは、睡眠を作る神経の力が、深い眠りよりも要る様で、夢をみる浅い眠りは、よく眠れない人は経験しなくなっています。

 

漢方薬の処方でこの浅い眠りを作るための、眠りの神経を丈夫にしてくれる薬があります。「天王補心丹(てんのうほしんたん)」「拍子養心丸(はくしようしんがん)」などの薬は、この浅い眠りを作る、睡眠の質を改善するお薬です。これらのお薬は、すぐ眠れるようになる事はどちらかというと少ないのですが、飲んでいくうちに、夢を見るようになります。
 飲んでいないときよりも、朝の目覚めが良いようで、そこから始まって、だんだんいいリズムの眠りが取れるようになり、次第に、普段飲んでいた導入剤や睡眠薬の量を減らして行けるようになる方が多いです。

 

自分もそうですが、年をとると、ぐっすり眠れるというのは何より感じる贅沢のように思えます。お困りの方の参考までに。

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漢方処方でお天気予測?

 なんだか、残暑が厳しいです。夕立もスコールのような感じで、温暖化の影響かと耳学問で思ったりもします。

 

経験則ですが、漢方薬の中のいくつかの処方がよく売れると、その年の季節の状況がある程度予測できるような感じのする処方があります。

 

たとえば「釣藤散(ちょうとうさん)」という処方があります。高血圧気味の方の、頭痛、めまい、肩こり、耳鳴りなどに使われる処方です。この処方が春先の2月3月ごろによく売れると、その年の夏は猛暑気味になり、あまり売れないと、あまり暑くない夏になるという経験則がごく一部にあります。
 この処方、体の中にゆらゆらと陽炎が立ち上ったような状態になったときの処方で、春先に体の中でこのような状態になると、この薬が調子が良いと続けて飲まれる方が多いのです。そうするとなぜかしら暑い夏によく出くわします。

 

ところが今年は、この処方が8月末ぐらいからよく売れています。結構調子も良いようです。
 ということは、今年の冬はあまり寒くないのでしょうか?
 そんな気がします。

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ふわふわ感、再び

 日中は気温が高い状態が続いていますが、朝夕は割りと過ごしやすくなってきました。
季節の変わり目ということもあって、このところ「ふわふわ感」の相談が増えてきています。

 

「ふわふわ感」の訴えで、秋のはじめごろに多いのは、血圧に関係した状態がよくなくて症状が強くなっている方々です。
 特に、血圧の変動が大きい方や、血圧を一定に保つことが、夏の疲れなどからできにくくなっている方の症状が多いです。
 中には、血圧の薬を処方されている方もありますが、気温差が大きくて、血圧の状態に、薬が追いついてない方もあります。
 お話を聞いていると、血圧の薬を飲んでいるから大丈夫と思っている方もずいぶんとお見えです。

 

この時期、肩や、首筋が重いとか、凝る、目の奥が痛い、頭が痛いなどの症状や、キーンという音の耳鳴りがあって、頭を動かしたりすると「ふわふわ感」が起こる方はご注意ください。
 またこんなときに、よく効く漢方薬もあります。

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理中湯について-チャングムの誓いから

 「チャングムの誓い」がいよいよ佳境になってきて、展開が本当にどんでん返しの連続といった形になってきました。

 以前、アヒル事件のときは、王様の病気が「砒素中毒による肝系湿熱が原因の狐惑病」というのがはっきりとしていなかったので、薬の処方として「附子理中湯(ぶしりちゅうとう)」という薬の良し悪しがよくわからなかったですが、この状態がわかったので、今ではこの処方があっていないことがはっきりとわかります。

 

「附子」というのは「トリカブト」のことで、これを加工して、毒性を少なくしたものを漢方薬では使います。毒性の強い「烏頭(うず)」というのを使う場合もあります。

 ここで以前に「白虎加人参湯」の話を載せて、この「白虎」が四神と呼ばれる神様の一人で「西」に位置し、生薬では石膏を示すと書いたことがあります。
 四神とは、東西南北にそれぞれ当てはめて、東ー青龍、南-朱雀、西-白虎、北-玄武という神様になります。

 「附子」はこのうち北の玄武に当てはめて考えられる生薬で、体を温める力が強い生薬です。この生薬を配合した処方に「玄武湯」というのがあったとされていますが、現在では「玄武湯」とはいわないで、「四逆散」と読んでいます。(ただ、この四逆散も附子の入るものと、柴胡の入るもののがあるのですが。)

 

「理中湯」は、以前出てきた、「傷寒論」に出てくる漢方薬で、「人参湯」として、売られています。もともと、胃腸が弱い方が、体力低下や、冷たいものや、お腹を冷やして、下痢などを起こしたときに使う「お腹を体の中から温める」漢方処方です。
 最近では、梅雨時から夏場にかけて、この薬の効く方がお見えになります。

 ですから、この二つはともに体を温めていきますから、王様のように「湿熱」という、体を冷やして治療しなければ行けない人には絶対に使わないほうがいい処方でした。使うと熱の症状がどんどん悪化してしまう恐れが強いからです。

 この考え方を、「寒熱」といって、漢方薬を考えるときの重要な基本事項の一つです。

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竜胆瀉肝湯について2

 トラックバックありがとうございます。

 

砒素中毒に竜胆瀉肝湯が有効かどうかということは、はっきりと断言はできません。少し調べてみたのですが、チャングムが言っている様に砒素の慢性中毒で、「肝系湿熱」になったのなら、竜胆瀉肝湯は有効です。
 ただ、砒素の慢性中毒と高栄養価の食事で「肝系湿熱」になるのかどうか、その経験や、記載された文献が見当たらないのでよくわからないのです。

 

竜胆瀉肝湯は、肝系の湿熱という状態に対して、清熱、瀉肝という効き目を持っているということで、湿熱の状態を治してくれます。

 

ドラマの王様の口内炎や、皮膚炎、体のだるさといったものは、湿熱でよく起こりますから、これを治すのには有効です。ただ、砒素中毒は、チャングムがやったように「防己」「紅参」などを用いないといけないのかもしれません。

ネットで検索して見ますと、砒素の慢性中毒は世界の中で問題になっている地区があって、何千万人の方が中毒症状を表すのではないかということがあるようですね。知りませんでした。

 追記ですが、竜胆瀉肝湯は、現在でもよく使われる処方といいました。
 先にあげた病気のほかに栄養価の高い食事を好みアルコールなどを好む方のダイエットにもよく用いられます。

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竜胆瀉肝湯について

 「チャングムの誓い」の中で、このところ出てきた漢方処方に「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」というのがあります。

 

「狐惑病」の原因として「肝系湿熱」という状態をチャングムが指摘して、そのときにこの処方が出てきました。

 

現在、中国の「中医学」という学問の内科、婦人科、泌尿器科、皮膚科などにおいてもよく使われている処方の一つだと思います。

 

処方の内容は、載っている書物によって多少違いがあります。日本でも行くと取りかの処方内容で「竜胆瀉肝湯」と名前が付いて売られています。

この処方は、「肝胆系」という臓腑の「湿熱」という状態に使う処方で、西洋医学的な病名であげると、肝炎、胆のう炎、尿道炎、前立腺炎、おりもの、子宮、膣炎、口内炎、舌炎、突発性難聴、メニエル氏症候群、自律神経失調症、胆石、尿道結石、湿疹、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、脱毛など上げればまだまだ出てきます。

 

この処方を元に、中国では色々とアレンジして処方されることが多いようです。

 

日本でも、この処方をよく使う流派があり、色々な症状に対応しています。

 

最近、内科で注目されているメタボリック症候群は、この処方が応用できそうな状態を示しているように感じます。

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チャングムの誓いの中の東洋医学

 トラックバックありがとうございます。

 

そうですね、あんなにすっきりと目が治るかは良くわからないですね。「狐惑病」で「肝系湿熱」からとして、最初「竜胆瀉肝湯」を主張していたのですが(この処方を使ったようではありますが)、途中から「防己(ぼうい)」と「紅参」で治療し、鍼を打って、後は夜通しのマッサージでしたね。

 

原因としては、牛乳に含まれている「砒素」による「狐惑病」ということです。

 

目の症状は、治療上の途中で現れる好転反応の一種と考えれば、一晩で治るかも知れません。漢方では「メンゲン」といっていますが、他の患者にも治療の途中で目が見えなくなったという台詞があったと思いますが、そのことを内緒にして治療を行ったとして、チャングムとミンジョンホがなじられていなっかたでしたっけ?
とするとやはり治療上に治る経過に目が見えなくなる症状が現れると考えたほうが良いのではないかと思います。

 

「砒素」の慢性中毒は神経を侵されるのではなかったかと思います。20年近く前に学校で勉強したきりなので、少し調べてみたいと思います。

 

脱線ですが、一時期ナポレオン・ボナパルトが砒素で暗殺された疑いがあるといって、調査されたことがあったような気がします。確か、死体を掘り返して鑑定したとかしないとか。否定されたとは思いますが。

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