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チャングムの誓いの中の東洋医学

 昨日放送された「チャングムの誓い」第45話はとても興味深い場面がたくさんありました。
 漢方に関係するところでも、チャングムとユンス医局長の治療上の対立は面白いところでした。「狐惑病(こわくびょう)」ということで診断は一致していたのですが、その原因がチャングムは「肝胆湿熱(かんたんしつねつ)」という「実証」と考え、ユンス医局長は傷寒証を繰り返して、体力が消耗して「肝腎両虚(かんじんりょうきょ)」と「虚証」で考えています。

 これは同じ病気に対して原因がまったく正反対の状態から見ているのです。もしチャングムの考えが間違っていて、それでも、チャングムの言った「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」を使えば、王様は大変危険な状態になります。「虚」「実」が違うということは大変な問題なのです。他の医官が脈が「数」「滑」というのは、チャングムの診断のほうを支持しています。

 

「狐惑病」という病気は、ドラマの中にも出てきた張仲景が書いた「金匱要略(きんきようりゃく)」という書物に出てくる病気です。ウンベク先生が言っていたように本当に十数行ぐらいしか記載がない病気です。
 この書物の中の第45條から第59條まで「百合病、狐惑病、陰毒および陽毒の證候とその治療法第三」という中に出てきます。第54條に「狐惑之為病、状如傷寒、黙黙欲眠、目不得閉、臥起不安。蝕於喉為惑、蝕於陰為狐、不欲飲食、悪聞食臭、其面目乍赤、乍黒、乍白;蝕於上部則聲喝(一作嗄)、甘草瀉心湯主之。」
 ここに、ユンス医局長が主張した甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)」が出てきます。

 

この二つの処方は、現在でもよく使われていて、薬局でも手に入る漢方薬です。

 

この後で、チャングムが主張した、鍼の打ち方や、紅参(こうじん)、防己(ぼうい)や、食材が出てきます。

 

王様は、目が見えなくなり皇后があわてふためいていましたが、肝胆系の病が進行すると、目の症状が出てることがよくあります。漢方薬でこの状態を治すための処方としては「洗肝明目湯」がいいように思います。

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» 大長今#46 [虹色の島の端っこで]
なんということでしょう〜 王様、チャングムの処方の末に見えるようになりました! あんなに劇的に治るものなのでしょうか? 「狐惑病(こわく病)」という診断で、医局長もそこまでは同じ診断でした。 原因を突き止められたチャングムの処方が功を奏して、助かったというわけです。 同じ症状、病気だとしても、いろいろな角度から診る事が大事なのですね。 そういえば初めて王様の脈を診た時に、「あれ?」って感じで。 その後、王様の口にする水や、牧場の牛、温泉を調べに行ってました。 実は牧場の牛がはんでいる牧草の土壌... [続きを読む]

受信: 2005年9月 3日 (土) 12時55分

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