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「お血」という症状について

 漢方の世界の考え方に「お血」(おは病ダレに於)と症状があります。これは、血行不良や、それにから起こる症状を言います。

 

28日の日曜日にそれに関しての科学的なデータをまじえた勉強会があり、とても興味深く聞いて来ました。

 

この講義では、「お血」という症状を「微小循環」という現在最先端の医学的なテーマから研究されている中国の先生のお話でした。

 

現在の医療で扱われている血液循環は、本来人体がおおなっている血液循環のごく一部で、体の隅々で行われている極細い血管での血液の流れはあまり扱われていなかったそうです。ですから、たとえば血圧の高い方が、お医者さんから薬をもらって、血圧が下がっていても、これは、外から測れる部分だけをよくしているだけで、体のこの「微小循環」がよくなっていない事も多いのだそうです。ですから血圧を下げる薬が日本ではたくさん使われていても、高血圧が引き金になる、脳の血管障害や、心臓疾患があまり減少していない統計学的なデータがあるそうです。

 

この先生は、東洋医学でいう「お血」の考え方、それに使われる生薬や、漢方処方がこの微小循環の改善に役立つのではないか、それならどういった働きで役立つのかを研究されているのだそうです。

 

漢方薬の効き目が漠然としたものではなく、きちんとした根拠で、また、よく使われている化学的な薬剤と補完しあう形で使われることは大変楽しみだという感じを持ちました。

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甘草瀉心湯について

 チャングムの中に出てきた処方で「甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)」は、ひどい下痢や、胃腸症状が悪化して、精神的な面に病状が及んだものに使う処方です。

 

現在よく使われる処方に「半夏瀉心湯」というのがあり、これは先の薬よりも下痢の症状が軽いものに使われます。胃のつかえ感、二日酔い、口内炎、下痢、胸やけによく使われます。
 もう一つこの仲間に「生姜瀉心湯」というのがあり、これは、丁度この二つの処方の中間ぐらいの下痢に使われます。

 

「甘草瀉心湯」は、最近よく使うようになってきた処方のひとつです。神経性の胃腸疾患に使ったり、神経の症状にも用います。特に気にしすぎの傾向がある方に使ったりします。

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チャングムの誓いの中の東洋医学

 昨日放送された「チャングムの誓い」第45話はとても興味深い場面がたくさんありました。
 漢方に関係するところでも、チャングムとユンス医局長の治療上の対立は面白いところでした。「狐惑病(こわくびょう)」ということで診断は一致していたのですが、その原因がチャングムは「肝胆湿熱(かんたんしつねつ)」という「実証」と考え、ユンス医局長は傷寒証を繰り返して、体力が消耗して「肝腎両虚(かんじんりょうきょ)」と「虚証」で考えています。

 これは同じ病気に対して原因がまったく正反対の状態から見ているのです。もしチャングムの考えが間違っていて、それでも、チャングムの言った「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」を使えば、王様は大変危険な状態になります。「虚」「実」が違うということは大変な問題なのです。他の医官が脈が「数」「滑」というのは、チャングムの診断のほうを支持しています。

 

「狐惑病」という病気は、ドラマの中にも出てきた張仲景が書いた「金匱要略(きんきようりゃく)」という書物に出てくる病気です。ウンベク先生が言っていたように本当に十数行ぐらいしか記載がない病気です。
 この書物の中の第45條から第59條まで「百合病、狐惑病、陰毒および陽毒の證候とその治療法第三」という中に出てきます。第54條に「狐惑之為病、状如傷寒、黙黙欲眠、目不得閉、臥起不安。蝕於喉為惑、蝕於陰為狐、不欲飲食、悪聞食臭、其面目乍赤、乍黒、乍白;蝕於上部則聲喝(一作嗄)、甘草瀉心湯主之。」
 ここに、ユンス医局長が主張した甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)」が出てきます。

 

この二つの処方は、現在でもよく使われていて、薬局でも手に入る漢方薬です。

 

この後で、チャングムが主張した、鍼の打ち方や、紅参(こうじん)、防己(ぼうい)や、食材が出てきます。

 

王様は、目が見えなくなり皇后があわてふためいていましたが、肝胆系の病が進行すると、目の症状が出てることがよくあります。漢方薬でこの状態を治すための処方としては「洗肝明目湯」がいいように思います。

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薬屋さんの漢方薬

 台風が来るような、なんとも落ち着かない静けさがある夕暮れになりました。ひとあれ来るかもしれません。
 今日、早朝ラジオを聞いていたら、とある放送局で漢方薬の話を、東京の大学の先生が話しておられました。このお話の中で、漢方薬の説明をされていたのですが、よく使われる漢方薬の種類が200種類ぐらいと紹介されていました。それと、日本では動物由来の生薬はあまり使われていないと話されていました。

 

確かに、健康保険を使った漢方薬に、動物由来の生薬、たとえば、牛黄、鹿茸、麝香などはほとんど使われません。ですが、薬局では、これらの薬はよく使われています。またこれらの薬は薬局方のも収載されている生薬です。

 

以前から思っていたのですが、漢方薬の世界は、処方される薬だけではないことも、きちんと伝えてくれないかなーということです。特に、大きな影響のある放送の場合は、そのようなことまで配慮して欲しいと思います。そうでないと、漢方薬や東洋医学の理解がゆがんだものになるように勝手に危惧しています。

 

健康保険で扱える漢方薬は分野によっては数が少ないです。それだけが漢方薬の世界ではありませんし、きちんと承認された漢方薬や生薬製剤、和漢薬なども病気の治療や、健康維持に役に立つものです。
 漢方薬を報道したりするのなら、ぜひこのようなところにも配慮が欲しいです。

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おとなのアトピー

 台風やら、前線の影響で、8月にしては湿気の多い天候です。暑さは、一休みというところでしょうか。

 

2年ほど前から、大人のアトピーの方に漢方薬で、それまでとは違ったお薬をお飲みいただいているのですが、大体この8月ぐらいは昨年から服用していただいて、そろそろお薬がいらないかなというところまで、皮膚の状態が落ち着いてきている方が出てくるころです。
 ここ数日、後どれぐらいで漢方薬を減らしたり、量を少なくしていけばよいですよという話をさせていただく方がちらほらお見えです。

 

大人のアトピーは、薬局の薬で対応しようとすると、じっくりとした効果しか得られないことが多く、特にステロイドを使っていたり、軟膏に負けている皮膚の状態の方は、1年以上かかるのですが、今年は特に春先の花粉症の影響もあって、3月4月でやめられた方が多かったです。
 そのとき、また症状がぶり返した、薬が効いていないといって見えた方で、説明を受け入れた方が、やっとここに来て肌の状態が変わってきていることに納得して、うれしそうに見せていただける方が増えてきました。

 

アトピーは難しい症状ですし、こちらが食事などでお願いすることも多いので、頑張ってくださる方には本当に頭が下がる重いですし、こちらも肩にずしりと責任を感じます。

 

もうお薬はいいんじゃないですかと話して差し上げるときが何よりの瞬間です。

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チャングムの誓いの中の東洋医学

 「チャングムの誓い」のドラマや、書籍はここに来てまた人気に火がついているみたいですね。私の周りでも、面白いと見ている方が増えています。ドラマのほうも面白くなっていますし、益々楽しみです。

 

さて、医学に携わっていて、特に医師の立場であれば、「誤診」というのあってはならないことです。ドラマの中でも、この「誤診」をめぐっての話がここ数話続いています。

 

王様の病気が「傷寒証」なのか違うのかです。

 

どうやら、先回の話で、チャングムが「傷寒証」とは違った見解を持ったようですが、まだはっきりはしません。
 この「傷寒証」というのは、前にも書きましたが中国の後漢の頃(西暦200年ごろ)に張仲景という人が書いた「傷寒論」に表された病気の捉え方です。この「傷寒論」は「寒邪」という病気になった患者さんがどのような経過をたどり、その段階ごとの治療法やその治療に用いられる薬剤とその調合方法、治療の判定、養生法などが書いてある医学書です。
この本の中にも、症状の捉え方を間違えてしまった時に、患者さんは症状の変化がこうなるから、このような手当てをしなさいということが書いてあります。ここでは「誤診」とはいわず「誤治(ごじ)」といっています。
 あと、症状によっては、他のところで間違った治療を受けて、「病気の型」が崩れてしまったものもあるとしています。これは「壊病(えびょう)」としています。

 

チャングムのドラマの中では、これからの展開次第ですが、これらの「誤治」や「壊病」になると、それを行った医師の責任は重いでしょうし、「傷寒証」それ自体とまぎらわしい病気や、「傷寒証」から起こる「雑病(ざつびょう)」になるのか展開が楽しみです。

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産地は大切2

 youjoudoさん、コメントありがとうございます。
 以前、とあるメーカーからもらった資料で読んだ記憶を書いたので、源生薬は違うのですね。ありがとうございます。
 手元の資料に源生薬の詳説が掲載されていないので、私の不勉強だったです。

 この西洋人参ですが、今年は特に出番が多いです。もっぱら、体に熱がこもり、口が渇いたり、脈が速くなったりしている方で、まだ元気のある方に飲んでいただいています。
 生薬でお出しするときに、別に煎じる手間はありますが、好評です。糖尿の方で、口の渇きがある方や、空咳のある方に良い感じです。

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産地は大切

 お盆休みも終わって、街中がにぎやかになっています。今年は、何年か前の夏と同じように、夕方になると夕立が来るようにお盆前からなり、雑草がたくさん庭に生えています。
 また、数日前から、蚊の活動が活発化したらしく、庭先に出たりすると、すぐに咬まれてしまいます。

 

さて、漢方薬に使われる植物性「生薬」のほとんどは、農作物です。この生薬には、お米や大豆、小豆などと同じように産地によって値段が違います。薬としての効き目も、同じ生薬でも効き目が全然違ったりします。
 また、生薬を外国に持ち出して、栽培したら、薬としての効き目が違ったり、性質が変わってしまったりするものもあります。

 

この季節ですと、朝鮮人参が一つの例です。
 朝鮮半島にある朝鮮人参や、日本の鳥取などで栽培されているものは、体を温める働きがあります。ところが、この苗をカナダで栽培したら、体を冷やす働きになった物が取れるようになりました。これを、朝鮮人参と区別して「西洋人参」と呼んでいます。

 この西洋人参は、熱を冷ますことから、糖尿病や、ほてり症の方、のぼせ、高血圧、微熱、軽い熱中症に用いられます。朝鮮人参は、このような症状に使うときには、熱がこもらないように注意が要ります。両方とも人参として元気を出させる働きはあるのですが、体に熱がこもらないので、栄養が豊かになった現代人には、使い方によっては、西洋人参のほうが朝鮮人参よりも使いやすい生薬の場合もあります。
 他の生薬でも、効き方が好かったりすることもあります。
 日本でも生薬にこだわる漢方屋さんなら産地にまでこだわってお薬を作っています。

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白虎加人参湯

 お盆に入りましたが、暑さは厳しいです。
 今年は、例年に比べて、体に熱のこもった方が多いので、「白虎加人参湯」をお勧めする方が多いです。
 この漢方薬は、体の中に熱がこもり、汗がたくさん出て、口が渇くという方に使う処方です。糖尿病のある時期にも使われたりもします。熱中症の予防的な効果も期待できます。

 

「白虎」というのは、神様の名前で、東西南北のうち西を守護する神様「白虎」に由来します。生薬としては「石膏」があたります。

 

イメージとして、西日が当たる部屋は熱がこもった状態になるので、それを治す目的の薬です。
 漢方薬の処方の名前に神様の名前が付いているのは、作用が強くよく効く漢方薬ですが、使い方も少し難しい薬です。
 東の「青龍」、南の「朱雀」、西の「白虎」、北の「玄武」とそれぞれの名前の付いた漢方薬があります。
 現在日本では南の朱雀に当たる「朱雀湯」はほとんど使われていませんが、他の薬はよく使われています。

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チャングムの誓いの中の東洋医学

 昨日放送された「チャングムの誓い、第43話皇后の決断」の前半は「傷寒論」という漢方の大切な考え方の言葉の宝庫でした。
 ドラマの中でも「張 仲景(チョウ チュウケイ)」の名前まで出てきましたので、漢方にかかわるものとしてはうれしいことです。
 台詞の中で、「傷寒証(症)」に関連するところをあげて見ましょう。

・場面:医局長が書庫で
「太陽系に邪(やまい)がある場合、発汗させることで治癒が可能。治療には陽気を通し、体の表面の寒え(ひえ)をなくす薬剤、麻黄を用いる。」
「少陰病は腎臓に属し、その性質から冷えと乾燥を嫌う。ゆえに附子をもって温める。」
「厥陰(けっちん)は肝臓に属し、血液を貯蔵し、筋肉に栄養を供給する。それゆえに内臓を温める薬を処方する」
・王様の気力回復としてチェゴサングンが話す場面で
「飛龍、ヤマブシダケ、ヒンチャムナムダケ、クルムチムルダケを食材として使う・・・」
・ミン・ジョンホと医官たちとの意見交換の場面で
 王様の症状として
「一日目は、頭痛、悪寒とともに、背中、腰がこわばって重くなる。二日目は微熱、眼の痛み、鼻の乾きがあり、四日目に喉の渇き、五日目には横になったり、起きたりを繰り返しおつらそうで、口と舌が乾き、口内炎ができた。」
 それを受けてシン先生が
「傷寒証は、寒(冷え)により体力が低下したとき、的確な治療をせねば、太陽系、陽明系、少陽系、太陰系、少陰系の順に移り、症状も変わります。」
 それを受けてウンベク先生が
「太陽系証が陽明系証に移行しつつあると思われ、陽明系証は高熱が出ますので『清熱補津湯(せいねつほしんとう)』を処方します。」
 それで治療していると医局長が言うとシン先生が
「白虎加人参湯がよろしいかと。」
・シン先生にチャングムとシンビが質問する場面で
「傷寒証は必ず皮膚や口の中に腫れ物ができるのですか?」
「そうとは限らん。シンビ説明してみろ。」
「口の中の腫れ物は、内臓に熱があるか、芯熱がある場合です。」
「そうだ。内臓に熱があるか、中焦の気が弱まると口内炎ができる。」
「張 仲景という人の本(『傷寒論』)を読んでみろ。ほとんどの医学書がそこからの引用だ。」

 これだけでもすごいボリュームです。でもドラマの中にこれだけの知識のものを入れてきて、それがドラマの展開に大きく関係する筋書きを組み立てていることだけでも興味深いです。
 漢方から離れても、いよいよというドラマ展開で、本当に来週が待ちどおぢいです。
 個々の漢方的な内容についてはまたの機会に。

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この時期に多い、口の苦味

 立秋が過ぎましたが、まだまだ暑い日が続いています。ただ、今年はあまり、立派な入道雲を見ていない気がします。夕立が恋しいところです。

 

さて、この時期になると、「口の中が苦く感じる」「朝起きると、口が苦い」といわれる方が多くなってきます。

 

夏の時期の疲れや、気温差で身体が疲れてくるとのと、訴えるのは更年期前の女性が多いので、生理も関係しているのかもしれません。

 

漢方では、「口の苦味」の症状は、五臓六腑の「肝臓」(肝臓の働きと、自律神経などの働きをあわせたもの)の調子がよくないと起こるとされています。先回ここに書きました「チャングムの誓い」にも出てきました「傷寒論」の中に、「口の苦味」を主症状として診断する部分があります。
 これが、「肝臓」系と関連の深い「少陽病」や「半表半裏証」といわれるものです。
 このとき薬としては「柴胡(さいこ)」の入った漢方薬を使うことが多いです。代表的なのは「小柴胡湯」という処方です。

 

この処方が、前に書きました、「西洋医学と東洋医学の物差しの違い」で、少し前に大変なことになってしまったことがあったのです。

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チャングムの誓いの中の東洋医学

 暑い日が続いてますね。

 

チェさん、コメントありがとうございます。
 書いてありますね、「高血圧」「貧血」と。

 

あのドラマの中で、「風熱」を「高血圧」とし、「血虚」を「貧血」としたら、シン・イクピル先生に「お前はヘイミンソへ行き、もう一度勉強しなおせ。」といわれ、ウンベク先生に「どうしようもない。」といわれ、チャンドク先生に口をきいてくれなくなること請け合いです。

 

漢方で使われる病気の名前を、西洋医学の病名や、疾患名、症状と同一に扱ってはいけません。同じような状態でも、その診断基準が違うからです。例えて言えば、物の長さを、尺、寸で測るのと、センチ、メートル、インチ、ヤードで測るのとよく似ています。

 基本的に「間に合わない」ことになります。
 診断に使う言葉はそれぞれに背景があって、意味の深いことなのです。病気の名前はとても大切です。

 少し脱線ですが、今公開中の映画で「姑獲鳥の夏」をやっていますね。
 原作者は京極夏彦先生で、妖怪シリーズの第一作です。このシリーズ、新書サイズで、レンガみたいな厚さがありますが、このシリーズの中に「塗仏の宴」というのがあります。この中に妖怪は名前がすべてというくだりが「ひょうすべ」という妖怪と「河童」との区別のところで出てきます。

 

これを読んでいて、「病名」と「漢方の証を表わす名」の違いがまったく同じ構造をしているように思います。

 

名前が違えば、共有している状態が90パーセントまで同じでも違うものなのです。

 

私の漢方の師匠が、「風熱」を「高血圧」と答え、「血虚」を「貧血」としたら、深いため息をついて、こいつは才能がないと数日口をきいてくれなくなるでしょう。

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チャングムの誓いの中の東洋医学

 王様がかかっているとされている「傷寒証」(証は症かもしれませんが)は、漢方では代表的な「外からの原因で病気になるもの」です。
 漢方の本でとても大切なものはたくさんありますがその中でも「傷寒卒病論」はとても大切な漢方の医学書です。時代的には、後漢の頃、紀元後200年ぐらいに書かれたものです。
 この本は現在では「傷寒論」と「金匱要略」とに分けいます。
 チャングムの時代でもおそらくは、基礎として勉強していたでしょうし、この中の治療法を用いてもいたことでしょう。
 現在でもこの中の薬剤や、考え方は漢方の世界ではよく使われています。代表的な処方としては、風邪薬として使われている葛根湯、ドラマの中にも出てきた当帰芍薬散などです。
 これらの薬は、考えると2千年近く多くの人に飲まれたお薬です。最近の薬はせいぜい数十年ぐらいですから、飲んだことのある人の数は本当に何億倍かそれ以上になると思うと少し気が遠くなります。

 ドラマの王様の症状がこの「傷寒論」のなかの症状なのか、他の病気なのか、どのような筋書きになるのかはとても楽しみです。

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チャングムの誓いの中の東洋医学

 昨日放送の「チャングムの誓い」では、前回からの続きで、ヨンセンの病気が最初にあり、後半で、中宗王の病気にチャングムが疑いを持ち、お約束のピンチをまねくという流れでした。
 「風熱」と「血虚」の微妙な違いを利用して、ヨリが、ヨンセンと赤ちゃんを危険な状態にしようとしますが、これは何とか回避できました。
 このとき、脈診が出てきて、かすかに「浮数(ふ、さく)脈を感じる」と脈をとったほかの医女が報告しています。「浮数」脈は、風証、熱証に多い脈です。ヨリが報告していた妊娠時に多い「血虚」では現れる脈ではありません。
 治療に粗食にして、「梨」を多くとると良いとしていました。ドラマの最後のミニ事典でも「梨」が取り上げられていました。

 

「熱」の症状を中心にした、一般的にいう「カゼ」には、梨や梨の皮を漢方薬の生薬として使うことがあります。「杏蘇散(きょうそさん)」という処方には梨の皮を使います。喉の炎症によく、身体を潤す働きがあり、熱による粘膜の乾燥を改善するためです。
王様は、「傷寒証」による口内炎として治療を受けてきたものを、チャングムが疑っています。「傷寒証」は先ほど出てきた「風熱」とは別の考え方で考える「カゼ」や「流行やまい」の体系です。

 

この「傷寒証」を起こすと、さまざまな疾患を引き起こすことがありまさに「カゼは万病の元」という状態になることがあります。この「傷寒証」にも系統があり、その系統にしたがって治療が行われます。

 

しかし、人によっては、病状がこの系統から外れたり、体質的なことから起こす病気がありこれを「雑病」として区別することもあります。

 

ひょっとすると、王様はこちらかもしれません。来週が楽しみです。

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ふわふわ感の悩み

 連日暑い日が続いています。例年近くの花火大会があるころから夕立が増えるのですが、今年は、花火大会が、万博との兼ね合いでないそうで、花火がないためか、夕立もありません。
 ところが、夜は割りとすごしやすいので、何とか扇風機で頑張れるぐらいです。

 

気温差のためか、夏ばてなのか、この数日「ふわふわ感」を訴える方が多いです。めまいとは違い、身体がふわふわしたり、頭を動かすとフワーとする症状です。相談にお見えの方は、検査でなんら異常のない方が多いです。

 

漢方的には、水、血、気のバランスのうち、水、血のバランスの崩れから起こることが多いとされる症状です。
 気温差が激しいときや、水分を多く取る時期に症状が激しくなるようです。
 体の中のバランスを改善すると、治ることが多いです。

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