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香りの薬

 漢方薬には、生薬の香り成分を利用して、神経を調節する治療があります。
 
 東洋医学では、体の中に「経絡(ケイラク)」というツボの流れを規定して、そこに「気」と「血」がめぐることで、体の状態を保っているという基本的な考え方があります。
 
 ストレスや、季節的な状態で、この「気」と「血」の流れが乱されて、この乱れによって、五臓六腑のバランスが崩れ、この崩れが元に戻らない状態を「病気」としています。
ですから、「気」と「血」の流れはとても大切です。
 
 そこで、この「気」の流れが、何かの原因で悪くなったときに香りを使うことがあるのです。
生薬で言うと、麝香(ジャコウ)、沈香、白檀といったものや、青みかんの皮、香附子などの生薬を用います。
 これらの生薬は、御香にも使われるものがあるくらい、香りがするものです。
 
 この香りによって、「気」のめぐりを良くして、鬱っぽい状態や、いらいら、体の張った感じや、軽いしびれ、軽い痛みの治療に使ったりします。

 最近読んだ本に、五感の中で、嗅覚だけ脳内での処理の仕方が違い、脳に対してダイレクトに働くというのがありました。
 またロボットの研究をしている方の予測では、視覚、聴覚、味覚、触覚は処理する経路が長いので、そこに人工的に干渉して脳に再現できるだろうが、嗅覚は難しいといわれているものを読んだ記憶もあります。
 それだけ、嗅覚は単純に脳と直結しているということだそうです。

 そうしてみると、宗教的な行為に線香や香油のような「香り」を使うのもなんとなくわかります。香りによって、感情を鎮めたり、落ち着かせたりするということのようです。
 気分が落ち着いていると、免疫系もよくなるようですから、仏教で、不幸事のあとにお線香をつけるのは、見舞われた方の体を守ることを経験的に知っていて、仏事に取り込んだのかもと思います。
 
 漢方でもこの理屈を上手く使った治療方があるのです。

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