漢方薬の材料検査

 このところ、中国で製造された冷凍食品の問題が話題になっています。

 私が携わる漢方薬の分野では、材料の生薬についての検査の問題がやはりここ数年メーカーや生薬問屋さんたちの間で話題になってきました。
 数年前までは、購入した生薬を開封すると、小石や、毛髪、毛糸などが混ざっており、返品したりしいたことが、まれにありましたが、最近では、どこの生薬問屋さんも検査を密にやっており、そういったことは見かけなくなっています。
 その分、コストは高くなっていますが、今話題になっていることを考えるとやむをえないでしょう。

 漢方薬はここ何年かの間に、医療用(処方箋でもらえる漢方薬)、一般向け用についても殆どのメーカーが中国や韓国、台湾などで製造、または材料を購入したりしています。
 この面で、数年前から、「残留農薬」の問題や、土壌汚染の問題が生じたことがあり、各メーカーは死活問題として厳しい検査基準を設けたり、現地の生産地を確認したりしてきたと聞いています。また、大手のメーカーは、何社かが合同で、中国国内の大手生薬取り扱い会社と共同の検査基準体制を持つようにしているそうです。

 口に入れるもので中国製は引いてしまうという方も多いかもしれませんが、きちん基準を設けて、その代わり多少のコストをお願いすることもあるかもしれませんが、その製品で生活をしている人がそれぞれのところで安全性を高める努力や工夫をしていることも出来れば知っていてください。

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円形脱毛症の方の漢方治療

 今年になってから、円形脱毛症の方のご相談が増えています。
 先日もあるテレビで特集をしていたのですが、円形脱毛で悩まれている方が増えているようです。
 
 漢方の分野では、円形脱毛症に対してはいろいろな漢方医の経験法が伝わっていて、あちらこちらの口訣の中に散見できます。

 今回はその中から、実際有効性があるいくつかの方法を見てみましょう。

 薬に頼らずに行う方法としては、松葉を利用する方法がいくつかの書物に見られます。これは松葉を輪ゴムなどで束ね、脱毛したところを根気よく刺激し続けるという方法です。だいたい数ヶ月でよくなると書物にはあります。これは、育毛ブラシなどと同じかとは思いますが、これを推奨している先生は「松葉でないとだめ」と言い切っています。
 これは、きれいな松葉が手に入らないので試していただいたことはないのですが、何冊かの書物に経験法として紹介されています。
 もし試してみるなら、怪我に注意してやってください

 漢方薬として有名なのは「柴胡加竜骨牡蠣湯加減」でしょう。この処方は精神的に落ち着かない状態に使われる処方ですが、この処方の中の生薬を増量して円形脱毛の方に服用してもらうと良いと載っています。
 この処方自体は、手に入りやすいのですが、生薬の増量が粉薬や、錠剤では出来ないので、円形脱毛の方は煎じ薬で調整して服用すると良いようです。増やす生薬はいくつかパターンがあり飲まれる方の体質や体調によって決めます。

 あと、若い方や、妊娠を経験された女性の円形脱毛にはミネラル剤が有効な場合があります。これは私も幾人かのお客さんから喜ばれたことがありますが、食事内容や、過労などがある場合、有効な場合があります。最近よくオススメするのは食用アリの錠剤で、これに葛とはと麦が混ざった錠剤をオススメしています。

 生えてきた髪の毛が弱そうな場合は、シルク(絹)コラーゲンもオススメしています。これも最近良い商材が出回るようになり、髪の毛がしっかりとなる方が多いようです。

 お医者さんでは、ステロイドの塗り薬などをよく処方されていますが、これとあわせて、上記の方法も併用すると良いかともいます。

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長引く、咳

 少し前から、風邪(おそらくは流感か感冒)が流行ってきました。それにここ数日、日中と夜間や朝方の気温差から寒さによる風邪も出てきているようです。

 このところの傾向として、発熱や、頭痛、のどの痛み、体のだるさが取れてから咳だけが長引くという方が多いようです。お医者さんから処方された咳止めや、市販薬で一般的な咳止めではなかなか治らないようです。

 特徴的なのは、痰が少なく、胸から込上げるようで、夜間に割りと咳き込むという方です。長引いて声が出なくなったり、少し話し込むと声が涸れてくるという症状の方が多いです。

 このような咳は、漢方を勉強しだしたころは「肺臓の燥」という症状で、肺臓が弱い方や、体力が衰えてきている高齢者に多いと習ったものです。
ところが最近では、20代、30代の方にも多く見られます。
 このような症状には、麻黄の入った咳止めや、桔梗をつかってもあまり効果が得られません。肺の状態を健康にして、気管支や気道粘膜の長引いている炎症を鎮めていくお薬が必要となります。代表的なのは「滋陰降火湯」という処方です。これに霊芝などをあわせたりすると良いです。花梨なども良いですし、梨を多く食べるのも良いです。

 少し気になるのは、このような症状に、いわゆる「痰切」の薬を使いすぎないことです。最近では、処方された風邪薬の中に、痰切や胃薬と兼ねた痰切が処方されていて、これが、気道や気管支の潤いを押さえすぎてしまっているのではないかと思える方がいることです。
 
 咳が長引いたときは、お薬を少し見直すのも良いかも知れません。

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天気と体調

 漢方医学では、天気と体調の関係を重視します。

 つい最近聞いたラジオの健康番組でも神経科のお医者さんがこの点について話されていて少しおやと思ったのですが、臨床のお医者さんはこの天気と体調について感心を持っておられるようです。

 天気が悪くなる前に体調が悪くなる、たとえば、痛みがひどくなる、体がだるくなる、鬱っぽくなる、動悸や息切れがする、めまいがひどくなるなどの症状は店頭での訴えの中にとても多く聞かれる特徴です。

 これらは、気温の変化、気圧の変化、湿度の変化が人体に影響するのだろうとされています。

先日のラジオでは、「高気圧は気圧が高いので、酸素が多く、低気圧は、酸素が少なくなる」というわかりやすい説明をされていて感心しました。確かに自律神経が敏感な方や、失調気味の方は低気圧や台風が近づくと体調がとても悪くなります。

 今日店頭での相談でも、今日のようなどんよりした天気で、ひどい貧血のある方が、動悸がひどいので何とかしてほしいという相談がありました。早く処置をするなら、酸素を吸わせるのが良いのでしょう。

 アトピーや蕁麻疹の症状も天気に左右されているのではないかと思えることがよくあります。

 少し天気に注意して、自分の症状を見ると、治療の糸口が見つかるかもしれません。

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久しぶりの投稿です

 少し間が空いてしまいました。
 いろいろなところから資料作りを頼まれて、ホイホイと受けたのはいいのですが、自分の言語能力の低さから、校正の嵐となり、文章の洪水に埋もれていました。

 さて、アトピー性皮膚炎の途中で中断していましたが、このブログを参考にされて、症状が和らいだといううれしい便りもいただいたりしています。
多少の参考になっている方も居られたようでなによりです。

 アトピー性皮膚炎につきましては、また再開しますが、最近、ご相談を受けていて気になることがありましたので、良ければお考えいただければと思います。

 気になったことは、今はやりの「リンパマッサージ」と「ホットヨガ」ですかなり流行っているようで、お客さんとの話の中でもよく出てくるようになりました。

 「リンパマッサージ」は美容のほうでやられているようです。お客さんからの話によると、やってもらうと、顔が小さくなったり、お尻が持ち上がったりするのだそうです。
 これは、リンパの流れに沿ってマッサージをすると、むくみが取れ、体の老廃物が出て行くから良いのだそうです。

 気になっているのは、「リンパ系」を「老廃物の輸送路」と強調しすぎているのではないかという点です。リンパ系は体の中の免疫系ですからもちろん老廃物といえばそうなのですが、これは体の中の軍隊の通り道、「免疫という体を守る戦いをする戦士や武器の道路」であるわけです。リンパ系のところどころには「リンパ節」という関所というか警備所があります。細菌やウイルスが体に侵入すると、ここの関所が腫れてきます。これはそこから先に侵入者を入れないためだったとおもいます。それと同時にリンパ系全体が警戒態勢に入ります。全身がだるくなり、発熱して血管を拡張させ、血管壁の透過性が亢進し、リンパ系と通り路を広げ、またあちらこちらのリンパ節が腫れて、体が臨戦態勢をしきます。

ここを外から刺激すれば、軍隊を刺激することにはなりはしないかと思います。

 実際、慢性の炎症性疾患(肝炎、膵炎、腎炎などや、コンタクトなどによる角膜炎、副鼻腔炎など)を患っている方が、リンパマッサージ後に、発熱したり、血液データが悪化しているように思われる方が見えています。
 
 美容の分野に医学を持ち込んでいるのですから、リンパ系の本来の意義を考え慎重に対応したほうが良いのではと思います。もしマッサージを受けて調子が悪いようでしたら、「体から毒が出ている」のではなく、慢性の炎症性の病気が刺激されて悪くなっていることもあると思われたほうが良いかもしれません。

 次は「ホットヨガ」です。これも考えてみると少し医学的には無理ではないかと思うのです。「ヨガ」は呼吸をコントロールして呼吸数を減らす行為です。鍛錬された行者ですと1分間に数回の呼吸まで落とすんだそうです。この状態ですと、体の反応としては、中心的に副交感神経が働いているのではないかと推測します。ですからヨガの鍛錬は結構涼しいところや寒いところで盛んです。インドなんかでも高地が多いようです。禅の座禅も寒いところが多いです。
 
 ところがこの行為を、なれていない方が暑い環境で行うとどうでしょうか。

 暑い環境であれば、通常は脈拍が上がり、発汗が促され、呼吸数が増加します。これは主として交感神経が刺激されるからです。

とすると、「ホットヨガ」はこの両方を同時に刺激することを行ことになります。これは神経のバランスから考えてとても無理というか出来ないのではないかと思います。逆に体調が悪くなる気がしますがどうでしょうか?

 少しひねくれた考えかもしれませんが、お客さんの中にこのようなことで体調を崩されている方がちょくちょく見受けられるようなので私見を交えて書いてみました。

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アトピー症状と漢方薬,その2

 しばらく間が空きましたが、続きです。

 と、その前にですが、このところお見えになる10代後半から20代のアトピー性皮膚炎のお客さんに共通する特徴が気になっています。
 
 店頭の備え付けの血圧計で血圧を測っているのをのぞくと、この世代層のアトピーで慢性化している方のほとんどが上の血圧と下の血圧(収縮期血圧と拡張期血圧)の差が大きいことです。特に下の血圧が低い方が多くて、昨日計った女性(29歳)の方は、38と出ました(ちなみに上は110台)。他の方たちも40台のかたが多いです。
 
 こちらも立ちくらみや、ふらつき、朝、起きづらいとかがないかいろいろと聞いてみるのですが、別段自覚症状はないようです。

 これは、アトピー症状が治りにくくなっていることと何か関係があるのではと勝手に考えています。

と言うのも、治療が上手くいってくると、下の血圧がゆっくりと上がってくる方が多いからです。

 漢方的にはやはり、腎系が弱いのでと言うことではないかと思います。

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アトピー症状と漢方薬

 少し間が空きましたが続きです。

 アトピー症状に対して、漢方薬で治療をしたいと言う希望は多いです。また時々テレビなどで漢方薬の治療法が紹介されると、その紹介された処方が良く売れるようになったり、小児学会などで、漢方薬を使った改善例の著効例などが紹介されたりすると、それが新聞に掲載されて問い合わせが増えたりすることが今までに何度かありました。また有名人の方の子供さんが中国の中医師にアトピーをよくしてもらったという番組があり、その後ツアーまで企画されたと言うのもありました。こういったブームのようなものがきっかけで、漢方薬をお使いいただくケースも結構あります。

 では、まずは現在の主な漢方の状況からお話しましょう。

 漢方薬は現在、お医者さんから処方される医家向けの漢方薬、薬局、薬店で買える漢方薬があります。お医者さんの漢方薬はほとんどが健康保険で出される「保険収載品」と言うものが多いです。
 一部の漢方を専門とされるお医者さんのところで自己負担をしながら処方を出されることもあります。

 薬局、薬店で買える漢方薬にはお医者さんが処方箋で出されるお薬とほぼ同じ内容のお薬があるのですが、このほかに、中国の製剤や、和漢薬という日本の伝統的な製法の生薬製剤などもあり種類が多いのが特徴です。また、値段もさまざまで、良い材料は加工に手間のかかる処方、高貴薬などが配合されていたりすると効き目は良いですが値段も高いと言うのもあります。
 また、漢方製剤のメーカーも結構たくさんあり、それぞれに特徴がある製剤が手に入ることもあります。漢方薬は処方の名前が同じなら本来同じお薬のはずですが、実際使ってみると効き方に差があるように感じることが多々あります。
 これらを経験的に知ることで、大手のメーカーではないが、この処方はこのメーカーがよいと言うのも結構あります。原料が生薬という自然のものを使いますから、原料の選別、加工の仕方、製剤の作り方によっても薬の性質にずいぶんと差が出ます。

 このあたりが、健康保険で一律にどこでも同じ医療と言うのとは異なってきます。

 あと漢方薬の種類としては、粉薬(エキス剤、生薬散剤など)、煎じ薬、錠剤、丸剤、塗り薬などがあり、それぞれ治療目的や、飲む方の好みに応じて利用されています。これらの剤形は薬の効き方に大きな影響を与えることも多いです。一般的には生薬の生に近い形の薬が効き目が強く、錠剤のように賦形剤を加えたものは生薬内容が薄いのが多いので効き方が穏やかです。

 アトピー性皮膚炎の治療に漢方薬を使う場合、最近の主流の考え方では、その漢方薬が症状を抑える(痒み、皮膚のただれ、赤み、かさつきなど)目的の処方なのか、体質的なものを丈夫にしていく処方なのかを選ぶことから始まります。
 
 症状を抑えるものは「標治法」といい、根本的な体質治療を「本治法」と言います。
 
 この2つは薬の効き方が全く違い、「標治法」に使われる処方は主に即効性を期待し短期間で症状の改善を狙います。「本治法」の処方はゆっくりと、しかし確実に病態を改善していける、体作りを目指すお薬です。

 ですから、「標治法」の漢方処方を長期間飲んでも症状はある段階から一進一退を繰り返すことが多いです。
 また、最初から「本治法」の漢方処方を飲んでも、効いた感じはなかなかえられませんし、症状によっては一時期悪化してしまうこともあります。この2つの方法をどのように使い分けるかは、アトピーの患者さんと治療を進めていく上では、いつも頭を悩ませる課題になります。

 これを全くわからずに長い期間、何年にもわたって漢方薬を飲んでいることも良くあります。本来ならもっと以前に本治に行かなくてはいけないのに標治のままの方もよくお見かけします。
ただ、これは明確にこの時点で切り替えようとは言い切れないのが厄介です。

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目の下のクマジミ-アトピーの相談の方々にも多い

 目の下や周囲のクマジミの相談は、私のところでは多い相談です。
 直接の相談ではなくても、アトピーや、大人のにきびなどの相談でも合わせて治したいというお客さんも多いです。

 この目の下のクマジミは、化粧品などでとりあえず隠すことはできますが、多くの場合、体の中の状態を良くしてあげないと改善しないことの多い厄介なシミです。
 このシミは、体の骨盤内にあるホルモンを出す器官と関係が深いという考え方があり、男女とも副腎機能、女性なら婦人科系との関連があるとする考え方です。

最近お客さんの相談を受けていますと、特に副腎機能が弱くなっている方が多いのではないかという気がします。理由を考えてみると、次のような状況が何らかの影響をしているのでは内でしょうか。
 多くの方に見られる睡眠時間の短縮化、ストレスの増加による交感神経の緊張の連続、冷房や冷たいものの過食による体を冷やす機会の増加、衣服の変化、運動不足(特に下半身)などがいろいろと絡み合ってからだのホルモンにまで影響が出てきているのではないかと思います。

 女性では更年期以降の方で、内臓に負担をかける食習慣や生活習慣をしておられる方(たとえばコラーゲンなどのたんぱく質のとりすぎ、ビタミン剤の連用、水分の取りすぎ、脂肪分のとりすぎなど)にも多いようです。
 
 漢方では、内臓の負担をどのようにとり、元気な内臓バランスを取り戻すかを考えて対応します。血行を促し冷えを解消しいき、睡眠が快眠の形でとれるようにして疲労を軽減して行くことが治療の目的です。
 婦人科のほうに何か症状があればこれに対しても対応していきます。これらの改善が進めば、クマジミは自然と薄くなり消えていきます。

 少し手間のかかるのがアトピーなどの治療で塗り薬や保湿剤などを使い続けていることにより皮膚の変色を起こしているものです。これは体の中の改善とともに目の周囲の血流をよりよい状態に保ってあげる必要があります。
 これには、そのための漢方の単純な処方がありこれが良く効くようです。
 でもこのタイプは良い兆しが出てくるまででも時間が相当かかります。

目の周囲も内臓を考えて対応していただけたら良くなることは多いです。

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アトピー症状に良いとされる商品について(3)

気温が高くなってきた影響でしょうか、アトピー症状の痒みが強くなってきた方が多いようです。
前にも、ここに書きましたが、塗り薬や、保湿剤の使い方に注意してみてはいかがでしょうか。痒いから塗りたい、カサつくから塗りたいというのも大切ですが、皮膚が蒸れると痒みが強くなります。
カサついている状態の皮膚は、ひょっとすると、垢になって落ちていなくてはいけない、役に立たない表皮かもしれません。
 皮膚の状況をよく見てみてはいかがでしょうか?

 少し間が空きましたが、続きです。

健康食品に関しては、いろいろな情報が公的な機関からも出てくるようになりました。今日もお客さんの話の中で、その方の知人が使った健康食品(ダイエットをうたっている商品)で、はっきりとした因果関係は確定しなかったのですが、どうもその商品に含まれる成分で肝機能値が上がったという方があったそうです。服用を中止したら肝機能値も徐々に下がったそうで何よりですが、この方、健康食品で肝機能値が上がるなんてと驚いていたのに少し以外に感じました。
 健康食品も、体質によってはお薬と同じ副作用のようなものが出ることはたくさん報告されています。
ただ、問題なのは、お薬ほどの情報を製造、販売メーカーが持っていないことが多い点です。
お薬は、販売されるまでに安全性、副作用、商品の安定性などの情報が細かく決められていますが、健康食品はあくまでも食品なのでそれらの規制があまり多くはありません。  ですから、何か健康被害が現れても、因果関係の特定に時間がかかることになりがちです。
 この点は常に健康食品を利用する上では大切な点だと思います。

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アトピー症状に良いとされる商品について(その2)

つづきです。
(4)各種健康食品ならびにサプリメント
これも種種さまざまなものをお客さんは試してます。
多いのはクロレラ、プロポリス、ローヤルゼリー、霊芝(色々)、アガリクス、椎茸菌子体、大麦若葉、玄米、玄米に関するもの、活性酸素を押さえるもの、お茶類などが最近相談の中に良く出てきます。
これらについては、良い面、良くない面があると思います。

大きく分けて次のようになるかと思います。

体作り系(栄養学的な話から現代食を否定して、バランスをとるためにはこの商品が必要という考え方に沿ったもの、ビタミン剤、ミネラル剤、総合栄養食品類もこの分類でよいと思います。)

免疫アップ系(アトピーは免疫力の低下(?)として、免疫力アップをうたっているもの)

活性酸素関連商品(皮膚の炎症が長引くのは体の中の活性酸素が関与しているためで、これを除去すればよいとするもの)

現代科学超越系(その商品の作動原理に高次元の波動とかや、気のパワーとか、生体エネルギーとか、あるいは原子や電子などの物理学系の用語や何とかイオンなどの一見基礎科学的な用語の何とか作用によって体に良いとしているもの、これに類するグッズ類もありますが、これは項を改めて)

これらは判別が難しいものが多く、全くだめとする考え方と、いやこれは良いという考え方があります。
ただ、試してみるにしても次のような点には漢方的な養生の考え方からは必要だと思います。

(1)その商品に含まれている原料の産地、できれば旬を知ること。
これは食品を体に取り込んでいくときに基本的に考えなくてはいけない点です。漢方的な養生法の中でも大切な点です。季節にあって、住んでいる環境に近いところのものがやはり普段とるものとしては良いです。

(2)商品化されている物は天然素材を前面に出していてもほとんどが加工食品であること。
 これも利用している方は以外にあまり意識していないようです。
 錠剤や、粉末などに加工されて、自然な状態なら数日で傷む食材が数週間、数ヶ月の消費期限になったらもう天然のものとは異なる点に注意です。

(3)その食材を、そのままの形で食べたときの量を考えること。
 これも、健康食品などを考えるときには大切な点です。自然な状態で、あなたが自分の口や胃腸を使ってその食材を食べたときに、それだけの量を取れるかどうかということを考えて見ましょう。
 それ以上の何とか成分を自然界にある量以上をとらせるということは、自然界でありえない量を摂取することになります。それが体に良い反応を出すかとなるか仇となる反応を出すかはおそらく誰も知りません。
 ですからそのあたりは注意が必要です。

 例をあげてみます。
 最近流行の「飲むコラーゲン」ですが、これも製剤になっているから体やお肌によさそうです。
 でも見方や、素材を変えると次のようなこともいえます。
 たとえばあなたの知り合いの方が、非常に美肌に関心が高く、どこかで聞いて「お肌に良いから」といって家でもまたどこに行くにも水筒などに卵の白身を何個分か入れてもち歩いて毎日飲んでいるのを見たとしたらどうでしょうか?
 おそらく普通の感覚をお持ちの方なら「見ていると気持ち悪いよ。それに体に悪そうだからおやめなさいよ。」と言ってしまうのではないかと思います。

 健康食品を利用するときはこの感覚を忘れてはいけないと思います。あくまでも普通に食事をして足りない分を少し補うのが中心であるとということが前提です。

 特にアトピー症状のある方は注意が要るのでないでしょうか?

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